『この物語を、映画にする。本気で。』
—”地域IP”という視点から見える未来

『この町起こし物語を映画にするんだ!』
ちょこ っと酒を引っ掛けて気持ちよくなったその時、少年のようなキラキラした眼差しで壮大な夢を語り出してしまう癖。これは今になっても継続中だ。周りからは『出来るわけがない』の嵐が飛び交って、笑われながらも、こちとら本気なのも間違いなくて。まっすぐ、やるんだって素直な言葉で出てくるんだから、どこかでその確信があるんだろうなーって。

ということで、今回の記事ではLIFE PROJECT HARUNOを「IP(知的財産)」という視点で捉え直し、その価値と、他地域へ展開した場合の可能性、さらには映画という手段によって、そのIPがどこまで飛躍するのかまでを、「もしかしたら…」という視点で考察してみよう。
1. IP(知的財産)とは?

IPとは「Intellectual Property(知的財産)」の略称で、ロゴやキャラクター、ストーリー、デザイン、活動ノウハウなど、有形・無形の“創られた価値”全般を指す。
例えばディズニー。
『ミッキーやアナ雪は、世界中の心に残る夢と感動のキャラクター。これは誰にも奪うことのできないディズニーの””知の宝”だ(IP[知的財産])』。
地域や団体が持つ「固有の文化・物語・風景・そこで誕生したプロジェクト」だって、編集と発信次第で強力なIP(知的財産)になり得るわけだが、その発想で取り組んでいる地域起こし団体は、どこを探しても自分たち以外にはいないだろう。
いま、全国の過疎地域が注目すべきは、こうした「地域IPの開発と活用」なのではないだろうか?
2. LIFE PROJECT HARUNOが持つIPの構成要素
・仕掛けをコンテンツにする“地域編集”の力
空き倉庫の拠点化、古民家リノベーションプロジェクト、文化財団との協働プロジェクトも、全ては『まんま写真展』を起点として誕生し、今もなお進めているプロジェクトだ。
『何もない、どうしたらいいのかも、わからない」
そんな深刻な過疎化の進む春野町を舞台にして、クリエイティブの力で人を起こし、前例のない挑戦を仲間のみんなで仕掛けていく。ノンフィクション町起こし物語というコンテンツとしての成長を目指して。ここにいる人を主役として、さまざまな仕掛けをし、地域を再構築し、編集していくのだ。

・ストーリーを宿す“持続可能な設計”
僕たちがやるのは単発のイベントじゃ なくて、地域と共に育ち続ける長期プロジェクトだ。現在、まんま写真展が行われていないのは『"春野町のありのままの今”に変化が起きているから』だ。「どうせ無理」→「もしかしたら」と起きてきた人たちと、ともに進めているプロジェクトが複数立ち上がり、そこでの仕掛けに注力しているのが現在。
次の”まんま写真展”はどうなるだろう?もう数人の仲間で活動してるわけじゃない。仲間のみんなを連れて、みんなでまんま写真展を開催したら、とてつもないスケールの写真展へとアップデートされることだろう。
ちょっと細かいハナシをすると、様々な仕掛けには当たり前だけどコストが掛かる。でも”予算がないなら自分の頭を使って、自分の手を動かせばいい”ってのがウチのやり方。「お金がないから出来ない」とかいうよくある言い訳は、僕たちには通用しない。「自分たちで出来る方法を探して、面白がってやるんだ」その覚悟が周りに伝染していくからこそ、僕たちの仕掛けには驚きやワクワク、感動が生まれ、助けてくれる人たちや、仲間になってくれる人たちが現れて、ストーリーが誕生していくのだ。

・可視化と共感によって育つブランド
SNSよりもビジュアル性と深さのある公式サイトを重視している。僕たちが仕掛けてきた実績を、写真、文章、映像など(情報コンテンツ)に変換して、人の声を丁寧にアーカイブし、感情共鳴を通じた“ファンの輪”を大事にして、これから先もさらにその輪を広げていく。関わる人たちが自分ごととして楽しく参加できていく理想のカタチを追い求めて。

3. 他地域展開によるIPの拡張モデル
LIFE PROJECT HARUNOでの活動は、他地域への展開において「テンプレート化」が可能だ。
なぜなら、僕たちの仕掛けは本質的で再現性のある方法だから。予算がなくても成立させる"人を起こす現象の作り方"のノウハウは、こっちが全て持ってると言っても過言じゃない。
もしも春野町で培ったこのモデルが各地に派生すれば、それぞれの地域で
• 「LIFE PROJECT○○(地域名)」
• 「まんま展in〇〇(地域名)」
• 「LIFE PROJECTギャラリー/ホテル○○(地域名)」
などといった「ローカルIP」が誕生し、それらが緩やかに連携する「地域ブランドネットワーク」が生まれる可能性は十分あり得るだろう。

4. IP価値を加速させる“映画化”という戦略
ここでさらにIP価値を大きくジャンプさせる構想がある。それが、いつも目を輝かせて話している「LIFE PROJECT HARUNOの映画化」だ。
・映画はIPの“ストーリ ー性”を最大化する装置
『クリエイティブの力で、目の前の世界を変えていく』と旗を上げ、たった一人の挑戦から仲間が増え、過疎地域の復活までの物語をみんなで描いていく。これらを一本の映画に昇華することで、HARUNOは「実在する場所」であると同時に「壮大な夢が叶う場所」として、多くの人の中に共有されるIPとなるかもしれない。
・“関係人口”と“聖地”を生むリアルな波及効果
映画の公開後、観客は「この場所に行ってみたい」「この人たちに会ってみたい」ときっと思うようになるだろう。それは、地域への実来訪=聖地巡礼や移住希望の増加など、具体的な行動変容を伴うIPから経済・社会への転換を意味している。
・他地域展開への導線としても機能
映画は「ストーリー性」と「ノンフィクション」を軸として「LIFE PROJECTの価値観(クリエイティブの力で感動を届ける)」を視覚的に提示し、「これって私たちの町でも同じようにできるかも」と他地域の人々に思わせる“伝播装置”となる。LIFE PROJECT HARUNOの映画は、その思想とやり方を全国へと届ける「IPの旗印」となるはずだ。
まとめ・IPとしてのHARUNOが地域の未来を照らす
LIFE PROJECT HARUNOは、単なる地域活動団体じゃない。春野町という一つの小さな土地に根ざしながら、地域の記憶・日常・人間関係を丁寧に再構築し、廃れていく田舎町から魅力あふれる田舎町へ復活していく物語として発信する「地域IPの原型」なのだ。
もしもこの活動が映画化され、全国にその物語が届いたとしたら——
春野町という名前は単なる「地名」ではなく、「思想」として、きっと広がり始めるだろう。
地域発のIPが、地域を超えて人の心を動かし、未来を変えていく。
それこそが、今求められる「地域×IP×物語」のカタチだ。

僕たちのコンセプトである『町起こしゲームチェンジ』はまだまだ先だけど、全然それでいい。これから先もきっとたくさん「無謀だ」と笑われるだろう。でも大丈夫。鼻で笑われ、後ろ指を刺され、それでも夢見て走り続けていく。
『海賊王に俺はなる』と決めて、大航海時代に突っ込んでいったモンキー・D・ルフィのようにね。