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#10 『点じゃない、線を描け。』
—トータルクリエイティブという名の別解

クリエイティブが大事。——で、結局どうすればいいの?

なんて声があちこちから聞こえてきたので、今回はビジネスとクリエイティブの現場(リアル)をガツンと書いてみようと思う。


情報があふれて、正解が飽和したこの時代に必要なのは、“正解”じゃなくて、“別解”。マニュアル通りじゃなくて、驚きや共感で人を動かすアプローチ。


だからこそ、作り手側には「作る、その先へ」という意識改革が必要だし、発注する側には「伝わる=届くこと」の本質理解が求められる。どちらか一方じゃ、もう通用しない。


今、本当に求められているのは、点じゃなくて線。部分じゃなくて、全体をつなぐクリエイティブの力。——つまり、“トータルクリエイティブ”という名の別解なのだ。



“作れるだけ”では選ばれない時代へ

クリエイティブの現場を、料理に例えてみよう。

• 料理人(クリエイティブディレクター)=素材を選び、レシピを考え、誰にどう提供するかまでを設計する存在。
• 素材提供者(クリエイター)=野菜・肉・調味料など、魅力あるパーツを用意する人。

どちらも欠かせない存在だ。しかし、料理が「美味しい」「また来たい」と思われるかどうかは、素材だけではなく、設計・演出・提供の仕方で決まっていく。



経営者視点のリアルな課題
経営者視点のリアルな課題
経営者・オーナーの課題:
「いい素材はあるのに、なぜ売れない、届かないのか?」

企業や地域プロジェクトのオーナーがよく抱える悩みがこれ。


「デザイナーや動画クリエイターに依頼して、良いものはできている。けれど、まったく届いていない。」


これはつまり、「高級な食材は揃っているけど、メニュー設計も盛り付けも接客もバラバラで、お客様の心に届かないレストラン」状態になっているということ。



クリエイター視点のリアルな壁
クリエイター視点のリアルな壁
クリエイターの壁:
「いいものを作っても、評価されない」

一方で、現場で手を動かすクリエイターにも、もちろん葛藤がある。


「自分なりにクオリティを上げているのに、成果に繋がらないと言われてしまう」

「いい素材を出しているつもりなのに、“料理”になっていないと言われる」


それは、“素材”としての役割にとどまっているからかもしれない。



「動画をつくれば伝わる」は本当か?

たとえば、こんな話がまぁーよくある。SNSで動画が流行っているから「ウチも動画やろう」となって、動画クリエイターに発注した。

見た目はおしゃれ、尺もちょうどいい、音楽も今っぽい。でも、なぜか届かない。反応がない。成果が出ない。——これはつまり、「いい素材でつくったのに、味がしない料理」みたいなものだ。


動画を「つくる」だけの人に頼んだ結果、完成したのは“素材を並べただけ”のプレート状態。料理には見えるけど、誰のための、どんな意図の料理なのかがない。だから、観た人の心にも、舌にも、残らない。


一方で、「動画を届けるために何が必要か」から考える、クリエイティブディレクターに依頼した場合はどうなのか。


・誰に観てもらう?(ファンなのか、新規層か)

・どんな印象を残す?(親近感か、信頼感か)

・どんな導線で?(SNSか、LPか、YouTubeか)

・その結果、どう行動してほしい?(シェア?購入?来店?)


——これらを踏まえて、企画から導線設計、撮影・編集までを「料理全体」として設計する。


完成したのは、ただの動画ではない。ターゲットの好みに合わせて調理され、「今、この人に届けるべき理由」が込められた、ひと皿。

動画という「料理」を通して、お客様の心にしっかり“届く”ということなのだ。



求められるのは、料理人の視点で動けるクリエイター

今、求められているのは「言われたものをつくる人」ではなく、「何を作るべきかを提案し、成果に繋がる形に仕立てられる人」だ


つまり、単なる素材提供者ではなく、「誰に、何を、どう届けるのか?」を料理人のように組み立てられる存在。=クリエイティブディレクター的視点を持ったクリエイターだ。


Creative Director
Creative Director
トータルクリエイティブ
=レシピ+提供設計までを含む“料理全体”の設計

トータルクリエイティブ=

• 誰に食べてもらう料理か(ターゲット)

• 何を味わってほしいのか(メッセージ)

• どう調理し、盛り付け、提供するか(メディア・演出・導線)

• なぜそれを今、出すのか(タイミング・文脈)


これらを料理に落とし込み、お客様の「また食べたい」「他人に勧めたい」につなげる全体設計。



経営者・プロジェクトオーナーにとってのメリット

トータルクリエイティブを担えるパートナーがいることによってどうなるか?


• 制作のたびに“ゼロベースで悩む”必要がなくなる

• 一貫したブランド体験がつくれる

• 単発で終わらない“成果の再現性”が生まれる

→ 単なる制作物ではなく、戦略パートナーを得られる


届ける(伝わる)ことで、成果につながる独自のクリエイティブが誕生し、競争市場でのポジショニングも確立されていくということ。”ブランド”は、ここからやっとはじまる。


クリエイターにとっての進化とは

素材提供から脱却し、料理人の立場に近づくためには


• 戦略的思考(マーケティング/UX設計)を学ぶ

• 制作の前に「なぜ・誰に・どう届けるのか?」を考える癖をつける

• 成果を共有できる“共創パートナー”として関わるマインドセット


提供できる価値を点(作る)から線(届ける)へ、本当の意味で『あなたにしかできない』を目指していくことでしか選ばれる存在には絶対になれないのだ。


最後に

実は”つくる前”から勝負は決まっていたりする。作れる人はAIにだってできる。でも、「誰に何をどう届けるか」は人間にしかできない。


食材だけでは、料理にはならない。

そして今、世界は「ただの食材」では満足しない。企画・文脈・ストーリー・体験……すべてを設計し、届けきる力が求められているのが超リアルな現場のハナシ。


発注側のオーナーや経営者も、受注を受ける側のクリエイターも、「料理全体を設計する」という視点を持ち、共通言語で語れるチームになったときに、はじめてお客様の心を動かす“本当のクリエイティブ”が生まれ、圧倒的な成果を生み出すことが出来るということなのだ。



そして、今お仕事や町起こし、全てで関わってくれているたくさんの人たちへ。僕は引き続き、”正解じゃなくて、別解”を提案し、圧倒的な成果を届けられるように、さらに精進していきます。よろしくお願いいたします!


LIFE PROJECT 平山了将



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