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#19「ジャンルを超えた先にある答え」
――“交差点”が、これからの社会課題解決論

町起こしの活動や仕事をしていると、ふと「これは誰のためなんだろう」と思う瞬間がある。ちゃんとしてて、立派な資料。きれいな言葉。でも、どこか空回りしてるように見える。「すごいね」とは思うけど、心が動かないのは、どうしてだろう。たぶん、答えはもっと雑多で、曖昧で、“ジャンルの交差点”みたいなところに落ちてるんじゃないかと思う。


1|“混ざっている社会”に、答えは一つじゃない

ぼくらが活動している春野町も、課題が山積みの地域だ。少子高齢化、空き家、孤立、移動手段、学校、働き方、横のつながり。これらはバラバラに見えるけれど、実は全部、地続きだ。だから、本気で社会課題に向き合おうとすると、「これは教育の問題です」「これは地域福祉の話です」なんてマジで言っていられない。現実はもっと“ぐちゃぐちゃ”で、その混ざりあいの中にこそ、リアルな答えが潜んでいると、ぼくらは思っている。


2|交差点にこそ、人の心が動く何かがある

今、ぼくらが大事にしているのは、ジャンルを越えて、交差する場所に身を置くことだ

たとえば、「まんま写真展」。地域の人たちの日常を、“そのまんま”撮った写真を、地域の場所を舞台にして開催するプロジェクト。これは「アート」と言われることもあるけれど、地域のおじいちゃんにとっては「地域の記録」かもしれないし、親子にとっては「会話のきっかけ」だったりする。アートか、福祉か、教育か――そんなの、正直どうでもいい。無言の『うるせぇな、感じろよ』の一点張りで僕らは突き返す。「”まんまの写真”の前で人が立ち止まるという“心の動き”」は、頭でっかち&予算を使い切ることが目的の企画や資料の何倍も価値があるはずだろう。


3|例えば、こんな“交差点”はどうだ?

ぼくらは企画も、映像制作も、編集も、なんだってやる。春野町の中学生に向けて、こんな企画を考えたことがある。 タイトルは『青春に、もう1ページを。』

部活や勉強で、ただでさえ忙しい中学生たち。でも、その一瞬の「今」が、あとから何よりの思い出になる。だからこそ、全校生徒にダンスを覚えてもらって、グラウンドで一斉に踊ってもらう。その様子を、ドローンで上空から、カメラでいろんな角度から記録して、一本の“青春ムービー”をつくる。できた映像はYouTubeにアップして、文化祭の当日に体育館で上映する。きっと、会場のどこかで、誰かが泣いてくれると思う。いや、むしろ当事者よりも、外から見た人のほうが「なんて素敵な企画なんだ」って、衝撃を受けるかもしれない。

そして、きっと言われるようになるだろう。「これ、春野の中学校の伝統行事にしたい」って。

というか、当事者に立った生徒たちは、一生の思い出になるだろうし、そんな“青春の1ページ”を本気でつくる大人たちに、憧れの気持ちを抱くかもしれない。大きくなって社会に出て、私たちも何かやりたいって僕たちのところに来ることだって絶対にあるはずだ。


これは、教育か?アートか?まちづくりか?たぶん、どれでもあって、どれでもない。

でも、その映像を観て、一緒に青春の1ページを作って「なんか、いいな」と感じてくれたら、それが、ぼくらにとっての“答え”なのだ。


4|さいごに

ぼくらは、何かのジャンルに収まることを目的にしていない。春野町という課題だらけのリアルな土地で、人と人が交わる“交差点”をつくりながら、心がふと動く瞬間を、仕掛けていきたい。手をつなぐ理由が明確だと、必ずその交差点に人は集まるという確信がある。それが結果的に、地域の課題に光を当てたり、誰かの人生の景色を変えることにつながったりするなら、それはきっと、「まちづくり」と呼ばれる何かなんだと思う。正しさや整いすぎた言葉じゃなくて、余白のあるメッセージを。効率や計画じゃなくて、“人の体温”を信じた企画を。


LIFE PROJECT HARUNOは、これからもジャンルの“交差点”に立ち続ける。


LIFE PROJECT 平山了将

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