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#14『前例をなぞるか、革命を起こすか』
〜「誰かの正解」を真似る時代の終焉〜

「それ、どこかで見たことあるやつだよね?」


正直、最近よく耳にする言葉だ。企画書、まちづくり、イベント、制度、サービス、広報戦略…「それ、◯◯市もやってたよね」とか「それ、前に流行ったやつの焼き直しだよね」って。


安心感はある。再現性もありそうに見える。だけど、心が動かない。ワクワクしない。人も動かない。


なぜか?


それは、「前例をなぞっているだけ」だから。

あなたの言葉がない。あなたの町の呼吸がない。

だから誰の心にも届かない。ただ情報として消費され、記憶にも残らず、次の“それっぽい何か”に上書きされていく。


この時代に必要なのは、前例の模写じゃない。未踏の地に足を踏み出す勇気と、自分たちの「らしさ」を信じ抜く意志。

“それ、どこかで見たことあるやつ”じゃなくて、“これが、あの町らしいよね”って言われるものなのだ。



1. 「成功事例」の呪縛

世の中には“成功事例”が溢れている。YouTubeにも、noteにも、セミナー資料にも。でもそれって誰かの文脈で、誰かの場所で、誰かがやったことなんじゃないか?


つまり、それは「あなたの正解」ではない。


成功事例を真似るというのは、一見近道に思える。でも実際には、思考停止を生む。問いを立てなくなる。いつのまにか、「なぜやるのか?」「誰に届けるのか?」「この場所ならではの意味は?」という本来の問いが、すっぽり抜け落ちてしまう。



2. なぞった瞬間、“らしさ”が消える

とくに地域づくりでこれが顕著だ。


「道の駅作ったら人が来るらしい」

「シェアオフィスが流行ってるらしい」

「芸術祭やると移住者が増えるらしい」


……らしい、らしい、らしいの嵐。


じゃあその町にしかない価値って、なんだろう?人の営み、空気感、景色、話し方、間合い、温度。そういうものをすくい上げずに“事例”だけを真似たら、どこにでもある町になってしまう。それは、『無意識の“地域消滅”』とも言えるだろう。



3. 「問い直す」からしか"革命"は始まらない

(『問いがズレれば、未来もズレる』——すべてに必要な“問いのデザイン”)

大事なことだから何度でも言うけど、僕たちがやっているプロジェクトでも、まずやるのは「問い直しだ。


問いが間違っていたら、すべてがズレる。

だから、最初から“決めない”。むしろ、たくさん雑談する。


「この活動は、誰のためにあるのか?」

「今の町に、本当に必要なものって何?」

「この空間を、何のために使うべきか?」


めんどくさいし、難しい。だけど、ほとんどの人たちが向き合わないからこそ、その“モヤモヤ”にとことん向き合う。それが最大のクリエイティブであり、革命のスタート地点だったりする。



4. 革命って、誰かが旗を振るものじゃない。

「誰かが変えてくれるのを待つ」のではなく、「自分たちで意味をつくり直す」。それこそが、前例を覆す革命だと思う。


それは派手じゃない。予算ありきでやることでもない。でも、たった3人の会話から、何かが変わり始めたりする。僕らは何度もそれを見てきたし、やってきた事実があるのだ。



5.「物語の主役」を外に求めるな

クリエイティブとは、「自分ごと化」する力だ。


「わたしたちの町でしかできないことは何だろう?」

「このチームだからこそ、語れる言葉は?」

「今、この瞬間にやる意味は?」


それに向き合い続けた人たちだけが、“自分たちの正解”をガンガン見つけていって、あなた達にしか出来ないオリジナリティにやっと辿り着く。革命なんて、どこかの誰かが起こすものじゃない。今いるこの場所、この人たち、この空気感の中でしか生まれないものを信じることだ。



さいごに:前例を超えて、“自分たちの問い”へ

「なんとなく良さそうだから」「うまくいってそうだから」と前例をなぞるのは簡単だ。でも、前例の枠を飛び越えたときにこそ、自分たちだけの“物語”が始まる。


その瞬間から、地域も、仕事も、人生も変わっていく。


だからこそ僕は、何度でもこう言いたい。


正解は、誰かの中にあるんじゃない。

“自分たちの問い”の中に必ずある。


そして、きっとそのうち気がつくのだろう。

近道だと思って選んだ道が、実は落とし穴で、

何度も寄り道して辿り着いた道こそが、革命の幕開けだったという、現実にね。


LIFE PROJECT 平山了将

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