『仕事のハナシシリーズ 開幕』
──伝える→伝わる仕組みの開発

さて、これから『仕事のハナシシリーズ』がスタートするが、このシリーズはLIFE PROJECT(町起こし団体)としての立場ではなく、Neuf Production(お仕事)の立場からガンガン話していく内容になるだろう。難しい言葉も多くはなるけど、『伝える→伝わる仕組み』という考え方の本質を届け、実践するパートナーがまた新たに誕生することを目指して執筆していこうと思う。

勝負は、始まる前から決まっている。
どんなによいサービスでも、どんなに熱い想いがあっても──“伝わらない設計”のまま世に出た瞬間、すでに『負け』が見えている。いいモノを持っているのに、うまくいかない。伝えたいのに、届かない。動いてほしいのに、動かない。それは、内容やセンスといった小手先の問題じゃない。はっきり言うと、『設計の問題』だ。

トータルクリエイティブは「伝え方設計」の技術
明らかに勝ち目のない町起こし活動であっても、難しいお仕事であっても、成果と呼べる結果を出してきたからこそ、ここに自分の言葉を執筆している。小手先の手段として、ポスターをつくる。Webをつくる。動画をつくる。芯すらもない状態で、これらそれぞれの“点”をただつくるだけでは、まったく意味がない。芯がなくてバラバラのメッセージ。ビジ ュアル、トーン。それじゃ絶対に人の心は動かない。必要なのは、“どうすれば伝わるのか”というストーリー設計そのものだ。「何をつくるか」じゃなくて、「誰に、どう動いてほしいのか」から始める。それを最後まで一貫して形にして、最適解を出す。それが、Neuf productionの掲げるトータルクリエイティブという考え方だ。

「伝わる」には、絶対条件がある
人が行動を起こすためには、必ず仕掛けが必要だ。感情、習慣、損得、期待、焦燥。どのスイッチを、どのタイミングで押すか。これはもう、デザインや映像のセンスだけでは読み解けるほど簡単なことじゃない。行動経済学やマーケティング心理学の視点が必要不可決。そしてそこに、「動画」という“時間をデザインできるツール”が加わることで、人の感情に火をつけ、人を動かす力が飛躍的に高まるという緻密な方程式を使いこなしていくワケだ。
「人は感情に訴えるストーリーに触れると、行動転換率(コンバージョン率)が最大22倍になる」[MITの研究報告]
「動画コンテンツはテキストと比較して記憶定着率が2倍以上」になるというデータもある。[HubSpotの調査]
こういった根拠があってこそ映像は、情報伝達ではなく“情動伝達”のために使うべきであって、「なんとなく伝える」ではなく、「どうすれば心が動くのか」から逆算して組み立てる。それが、『伝わる仕事』の絶対条件なのだ。

“伝わる仕組みの開発”
SNS用の画像だけ欲しい。動画を1本だけ撮ってほしい。Webサイトだけ、かっこよくしてほしい。もちろん、部分的な依頼も受ける。でもそれじゃ根本的な解決になっていない。僕たちが手掛けなきゃいけないのは、バズるだとかじゃなくて、成果につながるための『構造を作ること』。なぜ伝わらないのか、どこで止まっているのか。その構造を見抜き、仕組みを再構築する。Neuf productionは、感覚的な話で物事を進めない。クリエイティブの本質を突き、人が動く圧倒的な成果を生み出し、市場の中で独立したポジションを取りに行く。

このシリーズについて
この「仕事のハナシ」シリーズでは、トータルクリエイティブという考え方を軸として、
#1『伝わらない理由』── 行動経済学のアプローチ
#2『伝える力の正体 』──人が動く設計図の作り方
#3『人が動く映像の力』〜見せかけじゃない、伝わる映像〜
#4『心を動かし、行動を促す』──「しかけ」と「しかた」の話
#5『心を動かす、という企て』── 考察する、広告の秘密
などについて、どんどん掘り下げていく。いいモノを、正しく、深く、届けたい人へ。誰かの心を、本気で動かしたい人へ。この連載が、「伝える仕事」に本気で向き合う人の“設計図”になることを願って。
次回予告
#1『伝わらない理由』── 行動経済学のアプローチ
Neuf Production 平山了将(お仕事モード)